太陽光発電の名義変更、どうすればいいの?相続のときに知っておきたいこと

最近、屋根に太陽光パネルを載せているご家庭がとても増えましたね。でも、いざご家族が亡くなると、「売電の契約はどうなるの?」「名義変更って何をすればいいの?」と戸惑う方が多くなっています。

まず、全体の流れをざっくり確認しましょう

太陽光発電の相続は、電力会社に電話するだけでは終わりません。いくつかの手続きを順番に(あるいは並行して)進める必要があります。

①相続人を確認して、設備の情報を調べる

戸籍謄本を集めて、誰が相続人になるかを確認します。あわせて、太陽光設備の「設備ID(10桁の番号)」や契約の内容もチェックしておきましょう。

②相続人全員で話し合い、協議書を作る

誰が設備を引き継ぐかを決めて、「遺産分割協議書」という書類を作ります。

③不動産(土地・建物)の名義変更をする

2024年4月から、相続登記が義務になりました。相続を知った日から3年以内に手続きをしないと、最大10万円の罰金が科される場合がありますので、忘れずに。ご自分で登記するのが大変な場合は、司法書士さんへお願いしてくださいね。

④経済産業省(資源エネルギー庁)への申請をする

FIT制度(固定価格買取制度)を利用中の場合は、国への申請手続きが必要になります。

⑤電力会社との売電契約・振込口座を変更する

売電収入の振込先を、新しい名義に変えてもらいます。

⑥保証や保険、メンテナンス契約も忘れずに

地味ですが、これが後々とても大事になってきます。

協議書の書き方、以前より少し楽になりました

以前は「協議書に設備IDをきちんと書かないといけない」と言われていたのですが、最近は書類の扱いが柔軟になってきました。 「被相続人名義の全財産(不動産・動産・一切の権利義務を含む)を相続人〇〇が承継する」というような、包括的な書き方でも手続きが通るようになっています。 ただ、設置場所や設備IDを記載しておいた方が、手続きがよりスムーズに進むのは確かですので、書いておくことをおすすめします。

「FIT期間中」か「卒FIT」かで、手続きの大変さが変わります

FIT期間中の場合(少し大変です)

固定価格買取期間がまだ続いている場合は、単なる名義変更ではなく「事業者の地位の承継」という扱いになります。経済産業省への申請(電子申請)が必要で、審査に1〜4ヶ月ほどかかることもあります。その間、売電収入の振込が一時的に止まってしまうことも。

卒FIT(買取期間が終わっている)の場合(比較的シンプルです)

買取期間が終わっている場合は、国への申請は不要です。電力会社との間で、契約者と振込口座の変更をするだけでよいので、手続きはぐっとシンプルになります。

これも忘れずに!意外と見落としがちな手続き

売電のことばかりに気をとられてしまいがちですが、設備を長く安心して使い続けるために、以下の変更もしっかりやっておきましょう。

メーカー保証の名義変更

太陽光パネルやパワーコンディショナには、10〜15年の保証がついていることが多いです。名義を変えておかないと、故障しても無償修理が受けられないことがあります。

損害保険(火災・自然災害保険)の変更

被保険者が亡くなったままになっていると、いざというときに保険金が出ない可能性があります。保険会社への連絡もお早めに。

メンテナンス契約の承継

FIT制度では、定期的な保守点検が義務付けられています。設置業者との契約も、新しい所有者の名義に変えておきましょう。

太陽光発電(FIT期間中)の相続手続きは少し大変かもしれません。しかし、放置してしまうと売電収入のロスにつながることもありますので、できるだけ早めに動き出すことをおすすめします。