茨城県結城市・結城蔵美館で出会った、心に残る一枚

先日、結城蔵美館にて開催されている、宮崎佐久子さんの色えんぴつ作品展を見に行ってまいりました。


会場に入ると、まず感じたのは、その繊細さです。一本一本の線がとても細かく丁寧に重ねられており、近くで見ても遠くで見ても、まるで写真のような美しさがありました。柔らかなタッチで描かれているにもかかわらず、どの作品にも確かな力強さが感じられ、思わず足を止めて見入ってしまいます。


作品の中には、完成までに一年ほどかかるものもあるそうで、その緻密さと根気強さにはただただ驚かされました。一枚の絵の中に積み重ねられた時間と想いが、見る人の心に静かに届いてくるようです。


その中でも、私が特に心を奪われたのは、淡いピンク色の八重のシャクヤクの花を描いた作品でした。幾重にも重なる花びらが優しく表現され、今にもふわりと香りが漂ってきそうなほどの存在感があります。


その絵を見た瞬間、ふと昔の記憶がよみがえりました。私の祖母が大切に育てていたシャクヤクの花に、どこかよく似ていたのです。庭先に咲くその花は、毎年楽しみにしていた思い出の一つでした。


しかし、そのシャクヤクは、私の手で枯らしてしまった過去があり、今でも少し胸が痛む出来事です。もう一度あの花を咲かせたいと思い、三年前に苗を植えましたが、なかなか花をつけてくれません。今年こそはと期待していたところ、つぼみがつき、もうすぐ咲くという時期に、大雨と突風で倒れてしまいました。


自然の中で育つものの難しさと、思い通りにならないもどかしさを感じつつも、それでもまた来年こそはと願わずにはいられません。


今回の作品展で出会ったシャクヤクの絵は、単に美しいだけでなく、そんな自分自身の記憶や想いと重なり、特別な一枚となりました。


忙しい日々の中で、こうしてゆっくりと作品と向き合う時間は、どこか心を整えてくれるように感じます。足を止めて何かをじっと見ること、思い出に触れることの大切さを、改めて教えてもらったひとときでした。