紅葉の時期に、茨城県桜川市の椎尾山薬王院へ——細い山道の先にある静かな癒しの寺

11月の勤労感謝の日に、茨城県桜川市にある 椎尾山薬王院(しいおさん やくおういん) を訪れました。以前から気になっていたお寺で、健康祈願のご利益で知られています。仕事が続いて少し心身が重く感じていたこともあり、「ゆっくりとした時間を過ごしたい」と思い、紅葉も楽しみにしつつ山へ向かいました。

カーナビに従って車を進めると、しだいに道は細くなり、山の木々が道に覆いかぶさるような細い山道へ入っていきます。対向車が来たらどうしよう…と少し不安になる場面もありますが、それもまた山寺ならではの風情。山の中腹まで登ると、木々の間からのぞく田舎の街並みがとても美しく、思わず深呼吸したくなるような開放感が広がっていました。

車を降り、石段を上って境内へ進むと、目に飛び込んでくるのは 樹齢300年を超えるご神木・スダジイ。堂々と枝を広げる姿に力強さを感じ、山の清らかな空気をいっそう深く味わえます。

本堂へ入ると、天井いっぱいに描かれた 『夜遊び竜』 が迎えてくれます。大きくうねるようなその姿は、今にも動き出しそうな迫力があり、しばし見上げて心を奪われてしまいました。

その下には、薬王院の象徴ともいえる 大きな「めがね」 が置かれています。この輪をくぐると、健康、とくに目の病にご利益があると伝えられています。
最近はパソコンやスマホを見る時間が増えて、目の疲れが気になっていたので、「どうか少しでも元気になりますように」と願いながら、ゆっくりとくぐらせていただきました。静かな本堂での祈りは、心まで優しく整えてくれるようでした。

本堂で手を合わせたあと、少し歩いて 三重塔 へ。法隆寺の五重塔を思わせる端正な姿で、随所に龍の彫刻が施されており、見ていて飽きない美しさがあります。木漏れ日の中に佇むその姿は、まるで時間が止まったような静けさです。

境内には、重さ約1トンもある大きな鐘もあります。真壁町の伝統ある小田部鋳造でつくられたもので、どなたでも打つことができるそうです。私も挑戦してみましたが、力が足りず少し控えめな音に。それもまた良い思い出になりました。

薬王院は、観光地として大きく賑わう場所ではありませんが、それがかえって魅力でもあります。人混みに疲れることなく、ゆっくりとした時間が流れ、自然と心が落ち着いていきます。

また、山寺とはいえ歩きづらい道は少なく、40〜70代の方でも安心して散策できます。木々の間をそよぐ風に吹かれながら歩いていると、日常の慌ただしさがふっと遠くに感じられるようでした。

三連休のおでかけに薬王院を選んで本当に良かったと思います。
細い山道の先に広がる、静かで穏やかな癒しの空間。紅葉の見頃は12月に入ってからとのことなので、その頃にもう一度訪れてみたい気持ちになりました。

健康祈願はもちろん、自然に囲まれた静かな時間を求めている方には、ぜひ一度足を運んでいただきたいお寺です。