「叔父・叔母の相続人に…でも何があるのか分からない」甥・姪が困らないための相続財産の調べ方
「あなたが相続人になっています」 ある日、そんな連絡を受けて驚いた方もいらっしゃるのではないでしょうか。 特に、亡くなったのが叔父さんや叔母さんで、自分は甥や姪として「法定相続人」に該当していた…というケース。 「最後に会ったのは何年前だろう」「どこに住んでいたのかも曖昧」 そんな関係性だと、相続手続きをどう始めていいか分からず、戸惑うのは当然です。
甥や姪が法定相続人となるのは、「被相続人(亡くなった方)に配偶者や子どもがいない」「親(直系尊属)もすでに亡くなっている」という状況です。 つまり、第三順位の相続人に該当するのです。 とはいえ、「何をすればいいの?」 「どんな財産があるの?」「借金があったら引き継ぐことになるの?」などとても不安になりますよね。
財産を調べるには、こんな方法があります
① 郵便物・通帳・スマホ・パソコンの確認
もし故人の家や部屋に立ち入れる状況であれば、まずは通帳や郵便物、スマホ・PCの履歴を確認します。
・金融機関名がわかる通知書類
・ネットバンキングの履歴
・保険会社からの封筒や明細
・不動産の固定資産税の通知
こうした情報から、取引先や財産の存在が見えてきます。
② 預貯金の有無の調査
銀行の書類はあるけど通帳が見つからない場合も、銀行ごとに残高の有無を照会できます。 これは相続人であれば可能で、以下の書類などが必要です
・戸籍謄本(被相続人と自分の関係がわかるもの)
・印鑑証明書
・本人確認書類
・銀行所定の届出書 など
③ 不動産の調査
固定資産税の通知書や、登記簿を調べることでどこに不動産があるのかが分かります。また、「名寄帳」を取得すると固定資産税の通知書に載っていない不動産も出てくる場合があります(市区町村ごとに申請)。
④ 生命保険の契約照会
加入していた保険会社が分からないときは、生命保険協会の「生命保険契約照会制度」を利用できます。
⑤ 借金や保証人になっていた可能性の調査
これは見落としがちですがとても重要です。 信用情報機関(CIC・JICCなど)に照会をかけることで、カードローンや債務履歴の有無が確認可能です。 また、万が一多額の債務が見つかった場合には、相続放棄も視野に入れて、早めに動く必要があります(※3か月以内が原則)。
甥や姪としての相続は、「そもそも何をすればいいのか分からない」「どんな財産があるのかわからない」「調査の方法も知らない」という状態からのスタートになることが多いです。
士業などに相談することで手続きの負担が軽減するだけでなく、気持ちも楽になります。おひとりで抱え込まないでくださいね。