遺言書作成に関する質問①~遺言執行者って何をする人ですか?

遺言執行者(いごんしっこうしゃ)という言葉は、普段の生活ではあまり耳にしないため、「何をする人なのか」「自分にできるのか」と不安に思われる方も多いと思います。
ここでは、法律の知識がない方にも安心して理解していただけるよう、できるだけやさしい言葉でご説明しますね。

遺言執行者とは

亡くなった方(遺言者)が残した遺言書の内容を、現実の手続きとして実行する役目を担う人です。

たとえば、「長男に自宅を相続させる」「預貯金をそれぞれの子に分ける」「特定の人に財産を遺贈する」といった遺言の内容を、実際に不動産の名義変更や銀行口座の解約手続きなどを通して形にしていきます。

いわば、遺言者の最後の意思を代わりに実現する“お手伝い役”と考えていただくと分かりやすいでしょう。


遺言執行者の意義

遺言執行者がいることで、相続手続きはとてもスムーズになります。

相続が始まると、相続人の方々は悲しみの中で、役所や金融機関への手続き、書類の準備などを行わなければなりません。

遺言執行者がいれば、これらの手続きを中心となって進めることができ、相続人の負担を大きく減らすことができます。

また、遺言の内容について相続人同士で意見が分かれた場合でも、遺言執行者が遺言書に基づいて淡々と手続きを進めることで、無用な争いを防ぐ効果もあります。

私には無理かも‥

「専門知識がないと務まらないのでは」と心配される方もいますが、必ずしも法律の専門家である必要はありません。

家族や信頼できる知人が遺言執行者になることも多く、その場合は、必要に応じて弁護士や行政書士、司法書士などの専門家に相談しながら進めることができます。すべてを一人で抱え込む必要はなく、「分からないことは専門家に確認しながら進めればよい」という姿勢で大丈夫です。

信頼の証

遺言執行者の役割は責任がある一方で、とても大切で意義のあるものです。

亡くなった方が「こうしてほしい」と願って残した思いを、きちんと形にする役目です。

そのため、遺言者から信頼され、「あなたなら安心して任せられる」と思われた証でもあります。

遺言執行者になることは、決して怖いことではなく、大切な方の最後の意思を支える、温かい役割だと考えていただければと思います。

もし遺言執行者をお願いされたときには、「一人で全部やらなければならない」と思い込まず、周囲や専門家の力を借りながら進めていくことを前提に、前向きに検討してみてください。それが、遺言者にとっても、残されたご家族にとっても、大きな安心につながることだと思います。